第一章

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『だからさ、あそこでランチャー撃ったら俺達まで巻き込まれんだろ? あーいうの、マジで危ないからやめろよ?』  苦笑しながらたしなめるのは、大変目鼻立ちが整った少年、ウルティマレッド。 『えー。だってさぁー、あんなに敵が密集してたんだし、一気に吹っ飛ばしたらスッキリするじゃん? それに、どうせ勇太郎と零士なら平気だろうし、現にぴんぴんしてるじゃん。だから俺は悪くないもん』  悪びれもせず笑顔を浮かべているのは、こちらもいたく整った容姿をしている少年、ウルティマイエロー。 『たしかに怪我はしないが、心臓に悪い。至近距離にランチャーを撃ち込まれてみれば分かるか?』  堅い、しかし僅かに呆れで滲んだ声色で喋るのは、やはりというべきか容姿端麗な少年、ウルティマブルー。  今年の春、つい半年ほど前に先代である二代目から極致正義自衛軍特殊戦闘部隊、通称ウルティマレンジャーの座に任命された三人は有名人と化した。  勿論、彼等はそれまでにも極致正義員養成学校内では、所謂「優等生」として一目置かれた存在ではあった。  しかし、ウルティマレンジャーに任命され、それを受諾した後、その「優等生」という評価は全て「ウルティマレンジャー」という英名に塗り潰されてしまう。  そうして、彼等は一躍有名人となったのだ。
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