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「え?・・・・・」
「お~い、ばか凛!そこにいるんだろ?」
「・・・・・うそ」
「何が嘘だよ。
お前があんな手紙寄越すから、心配で来ちまっただろ!」
「・・・・え、だって、どうやって・・・・」
シロとやらは吠えるのを止め、あたりは俺たちの声を吸収するような雪、雪、雪。
「新幹線乗って、バス乗ってに決まってんだろ?」
そんなこと聞いてるんじゃないことは分かってる。
でも、こういう会話が、ホントウの俺たちだろう?
「凛ちゃん。誰かお客さん?」
「おばあちゃぁん!!!!!」
ばたばたと音がして、暫くまた静かになる。
どうしたものかと、門の外で動けずにいると、小柄な、いかにも”田舎のおばあちゃん” といった おばあちゃんが門を開けてくれた。
「おやまぁ、本当だわ。
爺さん、お風呂の用意したって~」
「は?」
急すぎる展開についていけない。
「ほらほら、あんたもいつまでも寒いところに居ないで入んなさい」
「あ、あの・・・失礼します」
「はい、どうぞ」
それから、凛との再会もそこそこに、急遽風呂に入れられた。
「凍傷にはなってないようだが、最初は ぬるい湯にして、それから温度をあげるんだ。
じゃないと、心臓がビックリするからな」
「は、はい」
「浩之さん、本当は下着も変えた方が良いんだけど、ここには爺さんのしかないから、
下着はここで温めておいて、また着て。
浴衣はあったから、お風呂から出たらこれに着替えて」
「あ、すみません。ありがとうございます」
そういって芯まで体が温まるまで風呂に入り、出てきたときにはテーブルの上に、料理が並んでいた。
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