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田舎の朝は早い。
「雪かき、手伝います!」
「若いのがそう言ってくれると、助かるなぁ」
都会暮らしの俺が、どこまでできるかわからなかったけれど、最近の雪かき用スコップなるものは なかなか便利で、慣れない俺でもそこそこの働きぶりを見せることが出来た。
屋根は自然と雪が落ちるように、傾斜がついているので、雪かきは車庫から入口、そして家の前の道路の雪を退かせば完了だった。
とはいっても、田舎の家というのは、信じられないくらい敷地が広い。
「凛、これさ、何軒家立つよ」
「これでも小さい方だよ?」
表の庭のほかに、後ろには小さな畑もあるらしい。
昨日食べた蕪もカボチャも、そこの畑から採れたものだ。
「お隣さんはキュウリのハウスなんだよ。
今は真っ白だけど、きっと中は暖房全開にして、屋根の雪を溶かしてるの」
「自給自足ってやつ?」
「ううん。隣のハウスはちゃんと市場に出荷してるし、ウチも道の駅とかで並べてるから。
どちらかというと地産地消?」
「あ~~~、そう」
それは、すごいことで。
どおりで雪かきが大変なはずだと、流れる汗をタオルで拭った。
「それで?お前、学校は良いの?」
「・・・・・誰かさんがいるのに、行けると思う?」
「気にせず行けば?受験生」
「浩之だってそうでしょ?」
「俺、推薦合格」
「え!!??」
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