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俺は打ち明けた。
奏に対する憎しみ。
それに邪魔され、愛情を注いでやれなかった自分に対するふがいなさ。
罪のない奏を憎んでいる自分自身に対する憎悪。
そして本当は、奏と仲良く暮らしたいという願望。
これら全てを。
愛菜は黙って聞いてくれた。
愛菜は唇に手を当て、何か考えこんでいる。
しばらくして愛菜がこんな事を聞いてきた。
「昨日……というより今日は何の日か分かる?」
それは奏がさっき聞いてきた質問と似ていた。この場合、質問の意図が見えないが。
奏の時は答えなかったが、別に答えが分からなかった訳ではない。すぐに答えた。
「3月3日だからひな祭りだろ?」
それを聞いた愛菜は含み笑いを浮かべながらこんな事を言った。
「じゃあ、亮太! あなた、奏の為に折り紙でお雛様を作ってよ!!」
…………は?
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