0人が本棚に入れています
本棚に追加
* 掃除 *
井上【男子生徒A】
「なあなあ、もうキスした?」
流星
「ぶっ!!ゲホ、ゲホッ!」
井上【男子生徒A】
「汚っ!」
榎本【男子生徒B】
「せんせーい、流星が床を汚しましたー!」
流星
「余計なことは言わなくていいっ!」
翠寿
「片しなさいよ、汚いんだから」
(遠くから)
井上【男子生徒A】
「で、どうなんだよ?」
榎本【男子生徒B】
「初恋の味はしたか?」
流星
「だ、だまれっ!」
──雑巾を、井上に投げる。
流星(M)
「人の気持ちも知らずに、勝手なこと……!」
──ゴミ箱を持ち上げ、教室の扉を勢いよく開ける。
愛歌
「きゃ……ッ!」
流星
「あ……」
──トキン
愛歌
「はうっ!?」
──見とれて転ぶ愛歌
井上【男子生徒A】
「あー、流星のやつ、根岸を──」
流星
「っせえよ。」
(低い声)
井上【男子生徒A】
「あ……」
──流星、そのまま去っていく
愛歌
「……ッ」
(じわ、と目に涙がたまる。)
榎本【男子生徒B】
「泣かないで、根岸さん。」
──愛歌に手をさしのべる榎本
愛歌
「……え」
榎本【男子生徒B】
「流星、悪いやつじゃないんだ、ただ……素直じゃないというか……御免、僕たちがからかったから……。」
愛歌
「────知ってるよ。」
(ぼそっと)
榎本【男子生徒B】
「……え?」
愛歌
「ありがとう」
(笑顔で)
愛歌(M)
「流星くんは、悪くない。私が、押し付けるから……鬱陶しいだけ……。」
「好き、だな。」
「好きすぎて、辛いな。」
──愛歌、泣いちゃう。
翠寿
「愛歌を、泣かせたのは誰────?」
(怖い笑み)
井上【男子生徒A】
「ひぃぃぃぃぃぃぃい!」
最初のコメントを投稿しよう!