日常

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「確かに年下に手え出したけど1回だけじゃねえか…」 リオンも私が部屋を出れば何やらぶつぶつ言いながら退散していった。 納得はしてなさそうだが、大方図星だから反論もできないだろ。 再び廊下を歩いていく。 今度の目的地は執務室だ。 そもそもこの軍基地は王族であるクラウディア一族が住まう城と宮殿の背後にそびえ立つ様にして建ってある。 城とは何箇所か出入り出来る扉があるが、そこを通れるのは隊長格以上か、特別に王族から許可を貰っている、または招待を受けた者たちのみだ。 城、宮殿、軍基地は高い防壁に囲まれており、外からは全貌を見渡すことが出来ない。 外観は宮殿のようにクラウディア王国伝統の華やかな建築だが、中身は正反対だ。 剣技や体術の鍛錬をする鍛錬場が各隊1個ずつ。 またそれよりも広い空間で実践と同じような模擬戦闘をする室内闘技場。 部隊に所属する者たち全員が寝泊まりをする就寝所。 はたまた大浴場や食堂、図書室など。どれも規格外の大きさだ。 最上階には私の執務室や仮眠室があり、その1つ下の階が各隊隊長の仮眠室。 入ってすぐのホールにはワープするための魔法陣が常に作動しており、移動時間を短縮させている。 そしてなんといっても壮観なのが少し離れた場所にある室外闘技場だ。 そこにはおよそ2万人の収容が可能であり、王の演説や1年に1回ある軍総出の魔法対抗戦が行われる。 魔法対抗戦はクラウディア王国における1番の花形の行事であるため他国から王族が来ることも少なくない。 隊長格以上ともなれば自分の執務室とは別に仮眠室、もといバスルーム付きの1人部屋が与えられる。 住むのには十分な広さがあるため、約半数の隊長がそこで寝起きをしている。 それ以外の軍人は全員強制的に寮に入れられ、寝食を共にする。 自宅に帰れるのは休暇のみ、という事だ。 因みに先ほど私に絡んできたラシエルは上級貴族のため自宅から毎日通っている。 貴族とは無駄な事が好きらしいな。
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