始まりはいつも突然!

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ジジジジジジ・・・・・ 「んん・・・ふぁぁぁ,朝ですかぃ。」 朝。6時50分に鳴る目覚まし。うん,ふつうだ。 いったい何回かわいい幼なじみに起こしてもらう夢を見ただろうか。 ラブコメの主人公なんて爆ぜてしまえ。 と言うわけでおはようございます。 誰にあいさつをしたか分からないが,そうつぶやくと階段を下りる。 「かずくーん,早く降りてきなさい。布団たたんだ?」 「たたみましたよーっと,あ,俺パンね。」 はいはい,と食パンをトーストにかけるのは我が母。正直周りの友達の母親よりも若く見える。 俺が16歳で母さんが39歳。いや,見た目は20後半くらいに見える。 いつものいすに座りみそ汁をすする。まぁよくある朝食風景だ。 「んー,この食パンとみそ汁のコントラストが絶妙じゃないか。朝はやっぱみそ汁だな。」 「母さん,今でもそのコントラストが分からないわ。」 ふふふっと笑いながらオレンジジュースを飲む母。 俺も女に生まれたら美人だったんじゃないかなーと少し恨めしく思う。 人生で彼女の類もできたことのない俺にはそんな考えも仕方がないと思う。 うん,きっとそうだ。 一通り準備し終えて,家を出る。 行ってらっしゃいという声を背に,いつもの変わらない登校が始まった。 こんな日常に飽きたなーとつぶやいてみたり。
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