聖夜の奇跡

4/10
前へ
/10ページ
次へ
マンションに着いて、早速ツリーを組み立てて飾り付けをする。 「わあ、綺麗!!」 「見て、秀一さん!」 「これも可愛いーー!」 「秀一さん、もっとバランス良く飾って下さいよ。」 「てっぺんの星、付けさせてあげましょう。」 ゆいは嬉しそうにオーナメントの全てを飾った。 俺も、注意されながら頑張ったつもりだ。 最後にライトを巻きつけて、それを点灯させた。 ゆいが選んだオレンジ色の小さな光の粒。 ゆっくりと点滅する柔らかい明りが、二人の聖夜の始まりを知らせているようだった。 ゆいが作ったいつもより一段と彩りのいい料理を食べて、二人でゆっくりソファに埋れる。 「あ、そろそろ。」 ゆいが俺から離れて、買ってきたキャンドルをゴソゴソと出し始めた。 「秀一さん、火、付けて下さい。」 俺が言われた通りに、並べられたキャンドルの全てに火を灯した。 大小、形も色も違う全てのキャンドルに。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3431人が本棚に入れています
本棚に追加