壊れていく国

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アリス ~ローズ広場 噴水にて~ 「っ…」 僕は、もうだめだと目を瞑っていたのだが、いくらたっても濡れない 「大丈夫ですか?空から降ってきたお嬢さん?」 「なっ…僕は、女じゃない!」 僕をお嬢さん呼ばわりした奴は誰だと思い目を開ければ、ニッコリと微笑んでいる銀髪が綺麗な男性だった 僕は彼に抱きかかえられていたのだ 「おや、男児でしたか。それはそれは申し訳ない。おチビさん。」 チビは認めるが… クスクスと笑う男にムッとしては、その場に降ろしてもらった 「助けてもらった人に何か言うことはないんですか?」 「あ…ありがとう」 最悪だ… 女と間違えられ、チビと言われ…そんな奴に礼を言わなきゃならない事ができたり… あ―っ、だんだん顔が熱くなってきた 「良い子ですね」 頭を撫でられた…もっと最悪 「自己紹介がまだでしたね。我はイムと言います。この国の女王の補佐をしています。君は?」 「アリス」 「じゃあアリス、君は何で空から降ってきたのですか?」 僕とイムは並んで近くのベンチに座った 「…わからない。急にできた穴に入ったら、ずっと暗闇の中を落ちていったら…そしたら「だいたいは、わかりましたよ」 「服装も、貴族が着るような服をしているね…この国では、君のような服装は貴族しか着ないのですよ」 「僕が来たところは普通…」 そう言えば周りのみんなは僕のような服は着ていない 女の人もドレスも来ていない… 「つまり君はこの世界とは別の世界から来たってわけだ」 違う世界…… 「まぁ…ここで話したら落ち着かないだろう…すまないが我の用事につきあってもらうよ。それから僕の部屋でゆっくり聞きます」 僕はコクンと頷いて、その場にイムと立ち上がった
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