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イム
~アビスの墓場 入場門にて~
我はアリスのように可愛らしい少年は見たことがなかった
白い肌に薄く顔を染めた彼の顔は美しいとも言えた
にしても…アリスは、この世界とは別…
異世界から来たらしい…
今まで長く生きてきたがこんな人を見たことがない
彼からは後で話を聞くにして、我は墓場の様子を見に行かなければならない
我は迷子にならないように彼の小さな手を握ってみた
アリスは俯いて、我の手を握り返してくれた
暫く歩けば、大きなコンクリートの壁の前で足を止めた
真っ赤な服に身を包んだ兵隊が2人、門の前に立っている
彼らは我を見て敬礼した
それにアリスは驚いている様子
「今日の死亡者は何人でしたか?」
「逃亡者は11人、脱落者は23人です」
「わかりました。中の様子を拝見させてもらいますね」
我はいつものようにポケットから金の鍵を出して、ただのコンクリートの壁に鍵を軽く叩いて、人一人分が通れるドアを出現させた。
「さぁ、アリス。ご覧なさい」
そのドアをあけてアリスを中に入れれば、自分も中に入った
「これがこの国の本当の姿です」
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