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「…何踏まれてんのに固まってんの?」
俺はハッとしてリコの足を退けて勢いよく起き上がり胸ぐらを掴んだ。
「テメ、散々探し回らせやがって…さっさと出て来いよ!」
「悪い悪い、面白くてつい見てた。」
相変わらず、バカ面でケロッとして居る。
本当にコイツ死んでんのか?
「ママからの手紙?」
「あ…。」
カッとなって胸ぐらを掴んだ勢いで手紙までぐちゃぐちゃになってしまった。
母さん、更に泣くな…。
「一瞬だったよ。気付いたら私の体がグッタリしてんの。」
「……。」
「スグに気付いたよ。あー、死んだんだ、て。ずっと見てた。で、気付いたら幽霊になってた。」
「…お前、何でそんなに軽いんだよ……。」
余りの軽々しい物云いにドッと疲れが襲い掛かって来てヘタリと座り込んだ。
必死に探し回った俺が馬鹿みたいだ。
「…大丈夫?」
溜め息が漏れた。
同時に怒りが込み上げて来た。
「何が大丈夫だよ…何でさっき会った時に云わなかった!ヘラヘラ笑いやがって、馬鹿にしてんのかよ?つーか何死んでんだよ?簡単に死んでんじゃねぇよ!!」
自分で云っておきながら、理不尽な事を云って居ると思った。
別にリコは死にたくて死んだんじゃない。
馬鹿は俺だ。
「…ごめん。」
リコは俺の隣に座って小さく呟くと空を見上げた。
何時ものヘラヘラした顔では無く、真剣な面持ちだった。
色々な感情が込み上げて来て複雑な心境だ。
辛いのはリコの方な筈なのに…。
「…謝んなよ。其の、何つーか、」
「私さぁ、まだリュウと此処で遊んでた頃…飯事やってた頃、本気でリュウのお嫁さんになると思ってたんだよね。」
「…はぁ?」
突拍子も無い発言に脱力してしまった。
しかも真剣な顔で。
こう云う所は相変わらずだ。
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