俺の結論。

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さて、そんなリコが今目の前で何故か大きく手を振って居る。 彼奴は確か二ヶ月位前に引っ越した筈だ。 しかも特急で三時間位掛かる所だった筈だ。 こんな平日にヘラヘラ笑って其処に居るのは全くを以て可笑しい。 俺は自分でも気付かない内に眉間に紫波が寄って居た。 何?俺がリコの事考えてたからハイ、ドロンパと出て来たワケ? んなワケ無いよな。 相変わらず頭の悪そうな捲し立てる喋り方をする。 元気そうだ。 久し振りに会うと、何か変な感じがするモンなんだろうか。 居る筈が無いのに居るからか? 何も変わり無い筈なのに違和感を感じる。 然し聞けば特に用も無いと云う。 やっぱり馬鹿だ。 どうせ仕様の無い忘れ物でもしたんだろう。 大事にして居た雑誌の切り抜きとか、床下に隠して居た猫の貯金箱とか。 「リュウ!」 突然呼ばれ慣れない名前で呼ばれ振り向くと、千裕が居た。 今日は部活があるから先帰ってて。 そう云われたから先に帰って居た。 一緒に帰る約束をした覚えも無いんだけど。 「今日は先生来れないから部活休みだって…。」 千裕が自棄にリコを気にして居るのに気付いた俺は軽く紹介した。 何か殺気付いてる気がする…。 お互い凄い笑顔何だけど、何か変なオーラが出て居る。 女って恐ぇな…。 千裕は先月転入して来たばかりだ。 そして先週告白された。 俺は付き合うとも云って居ないのに何故か付き合ってる事になって居る。 周りに一々説明するのも面倒臭いから適当に流して居た。 其の結果、今其処で勘違いに勘違いを重ねて軽い修羅場が起きて居る。 二人共目が恐い。 もう行く、と云って恐い笑顔のままリコは家とは別方向へ歩いて行った。 学校にでも寄るんだろうか。 「律子って、下の名前で呼んでるんだね。私だけだと思ってたのに…。」 「あぁ、幼馴染みだからな。」 「幼馴染み意外に何も無いんだよね?」 「はぁ?」 「だって、仲良さそうだったから…。」 「馬鹿じゃねぇの。」 機嫌の悪い千裕に構わず歩き出した。 女って本当面倒臭ぇな。 もしかしてずっと此の事でウジウジされんのか? はぁ…考えただけでしんどい。 「彼女は私だけだからね!」 「痛っ!」 俺の背中をキツく鞄で叩くと、千裕は走って帰った。 追い掛けるのも云い返すのも面倒で、放っておいた。 勝手に解決してくれ。
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