魔力に愛された少女

4/24
前へ
/101ページ
次へ
両手でたっぷりの水が入ったの桶を持ち、ゆっくりと家の中へ戻る。 キッチンへ桶を持っていき、桶の中の水を少しだけ鍋の中へ。 先日、エフィから貰ったばかりの新鮮な野菜たちを適当に小さく切って、水を張った鍋の中へ放りいれる。 その後ゆっくりと重たくなった鍋を持ちあげて、鍋の底にある魔法陣へふれ小さく燃えろと念じればふわっと温かい炎が現れ、自然と鍋はぐつぐつに煮込まれる。 数少ない調味料で適当に味付けをした後、この前市場で買ったカチカチに硬くなった腐る寸前のパンを、苦手な火属性の魔法を使って少しだけトーストした。 ここは魔法が中心の世界。 移動や学校の授業、調理みんな魔法が中心だ。 大抵の家庭の調理器具には魔法陣が埋め込まれて、魔力を提供するだけで簡単に魔法が使えるようになっているらしい。 だが、残念なことにそんなハイテク器具は僕の家にはあの鍋しか存在しない。 あぁ切実にトースターが欲しい .
/101ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加