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一人分のスープとパンひとつという質素な朝食。
キッチンからテーブルに朝食を運ぶ途中、必要がなくなったローブを脱ぎ捨てる。
どうせひとりなのだから、裸であってもローブも着ていてもたいして変わらないだろう。
テーブルに朝食を置き下着一枚のままいつもの椅子へ座る。
自分の反対に置いてある椅子は使われることがなく、ほこりが被ったままだ。
真っ黒に焦げた腐りかけのパンをかじりつつ、ほんのり野菜の味がしみ込んだ薄味のスープを流し込む。
ふと思い返してみればこれは2日ぶりの食事。
でも、食事なんて数日とらなくてもたいして変わらない。
真っ黒な炭寸前の硬いパンも、味のしないスープもいつしか慣れてしまった。いや慣れるしかなかった。
これが、森の奥のログハウスにひとり住む
僕
アリアンヌ・グレーテルスの日常。
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