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目的は、歌津美以外か。
そうだとするならば、益々意味が分からなくなる。
世間的には、何ら問題の無い流行のゲームだ。運営の裏側で、悪巧みしているとは考えにくいのも事実。
「それとも、何かを訴えているのかな……」
悪巧みでは無く、警告。
ゲームを通して、無差別殺人事件の首謀者がしている事を、間接的に伝えようとしているのか。
「違うよなぁ。ストーリーと事件に、何の関連性も無いんだし」
歌津美は、ここで推理を断念した。
自分一人では、ここまでが限界だろうし、これ以上一人で考えようとすると、今日の事件を振り替える事になりそうだ。
それが、思考を止める。
結局は、思考の恐怖から逃げたいだけ。
そして、歌津美はネットカフェの店内に戻る。再びあの閉鎖された空間で、一時の安らぎを得る為に。
それが、唯一出来る事だと思い込んで。
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