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ならば、隠れて調べるしかない。
蓮次は、運転手に最寄りの駅で降ろしてもらい、その駅前にあるビジネスホテルに入る。
明け方近く、チェックイン出来るのか心配だったが、気のいいフロントの親父は宿泊させてくれた。
窓から、通りを確認する。
例の二人とは違うが、似たような服装の男が、黒塗りのセダンの車内からこちらを見ていた。
「やはり、監視がついてるな」
それは、以前から気付いていた。相手にしても、蓮次に気付かせるように監視しているのだろう。
監視の意味の他に、蓮次にプレッシャーを与えているのだ。
余計な真似をすれば、妻と子供の命は無いぞ。
安っぽいドラマのワンシーンのような脅しだが、こうした見え見えの脅しが、今の蓮次には一番効果的である。
下手に、連絡も出来ない。
携帯電話は、取り上げられてはいないが、電源を入れる事は許されていない。
男逹との連絡は、別の携帯電話を渡され取り引きの時にだけ使った、それ以外の利用は禁止されている。
二台の電話を、テーブルに並べる。
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