♯10 陸道と陸水

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   ところが、これが思うように行かない。  現在、蓮次の情報源は、テレビの情報番組だけで他には何も無い。  せめて、ネット検索が出来ればと思うが、相手が相手だけに、どれほどの監視体勢をしいているか用心が必要だ。  怪しまれれば、優花の命に関わる。  重い足かせが、蓮次の動きを制限していた。 「そうなると、残るは新聞や雑誌か」  それも、現時点では入手困難だ。  しかし、それは問題ない。  これから仮眠を取り、電車を使って優花の元に向かう際、駅の売店で購入すればいい。  流石の相手も、そこまで蓮次の行動を制限しないだろう。  あくまでも、移動中の暇潰しだ。 「そうと決まれば、昼まで眠るとするか」  フロントの親父には、昼前にチェックアウトすると伝えてある。  下手に、起こされる事も無いだろう。  蓮次は、浅い眠りについた。      
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