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【 3 】
警視庁の捜査本部。
警察の信用がどれだけ失墜しようとも、そこで捜査を中止など出来る筈も無く、昨日の葛西臨海公園での事件の報告が行われる。
緊急会見で発表した以外に、新たな情報は掴めていなかった。
それは、拉致された捜査員の行方も含まれる。
捜査員のカツラの中には、こうした状態を予測して発信器を取り付けていた。
だが、それは効果を発揮しなかった。
騒動の直後、敷地内の植え込みに、そのカツラと発信器が捨てられているのを発見した。
それはつまり、その時点でおとり捜査がバレたという証拠。
相手は、分かっていて捜査員を拉致したのだ。
「それで、首謀者側からの連絡は無いのかね。我妻警視正」
「今のところ、何も……」
「何故、連絡が無いのかね」
「そう言われましても……」
我妻にしてみれば、そこを追求される筋合いは無いのだが、階級が上の人間に言われると苦笑するしかない。
普段は、苦笑させている立場なのだが。
捜査員は、無事なのか。
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