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少女の浮遊能力も、数センチが限界だろう。
沙菜は、その能力で陸道を見た。
ぼんやりと陸道の瞳が輝いており、未来を見据える能力が備わっている事が分かった。ただ、少女と同じように頼りない能力。
本人も、それは自覚しているようだ。
能力者としては、沙菜の方が成熟度が高いのだろう。
そして、遂に最後通告が言い渡される。
「沙菜、今日で最後だ」
「えっ……」
「今日で何かしらの結果が出せぬなら、分かってるな?」
「うっ、はっ、はい……」
これまで、何人かの女性が急に姿を消していた。
単に、陸道の元を去っているのか、それとも何かしらの処分されるのか。
考えずとも、ここで行われている事は違法であり、通報されてしまっては都合が悪いだろう。
私は、殺されるのか。
そのような思いで、送迎のワゴン車に乗り込み、料亭へと運ばれていく。
「じゃあ、行ってらっしゃい」
「はい……」
料亭の座敷に通される。
そこにいたのは、今までで一番の大物政治家であった。
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