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「だが、週刊紙の記者はいかんのだよ」
「えっ、何で?」
「あいつらは、圧力をかけて潰そうとしても、強引に記事にしたりする。フリーのライターの首を切り、責任を取ったような顔をする」
そんな店での会話を、沙菜は瞬時に思い出したのだ。
伍島田は、車に乗り込み帰っていった。
座敷に残されたのは、七百万の金と沙菜だけ。
「どうしよう……」
マリオネットの能力を解いて我に返ったのだが、目の前の金をどうしたらいいのか、これからの自分はどうするべきか悩んだ。
陸道の元に帰れば、何かしらの制裁を加えられる。
だが、他に帰る場所も無い。
その上、目の前の金を持ち逃げすれば、伍島田からも追われる立場になる。
第二の転落人生を、自分で加速させるようなものだ。
だが、次の瞬間には気持ちが切り替わる。
沙菜は、無言で金をバッグに詰め込むと、そのまま座敷を後にして店を出た。
「何を弱気になってるのよ。私は、国と警察に制裁を加えるんじゃない。たかだか、政治家一人に何をビビってるのよ」
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