夜叉の桜 ~ The lost petal~

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夜叉の桜 ~ The lost petal~

少女と共に無限回廊を歩いていると目の前に巨大な鏡のような物が浮いていた。 「なんだ、これ?」 「この中をよく見てみよ」 そう言われて鏡の中を覗いてみるとそこには世界があった。 「見てわかるようにこの巨大な鏡の中には世界がある。この鏡は幻廊鏡と呼ばれていてこの無限回廊の至るところにあるのじゃ」 「この中に入るのか?」 「そうじゃ」 少女は幻廊鏡に手を触れてゆっくりと中に入っていった。 それに続いて俺もゆっくりと世界の中に足を踏み入れた。 そして目の前に現れたのは大きな木だった。 「なんだ...これ」 「見てわからんか、これは桜の神樹じゃ」 「神樹?」 「この世界の神の源となる樹じゃよ」 「でかいな...」 その神樹は高さが30メートルほどもある大樹だった。 「でも、なんで...数えるほどしか花が無いんだ?」 そう、この神樹には極端に花が少ない。 「理由は簡単じゃよ、この世界の神が...力を失いかけてるんじゃよ」 「この世界の神って誰だよ?」 少女は盃の方を見て言った。 「妾じゃよ」 「な!...お前見るからに元気じゃねぇかよ」 「残念じゃが、今お主が見ている妾はこの世界にお主を招き入れるための分身のようなものじゃ、本物の妾は口調も姿もちがう。本物はあそこにおるよ」 そう言って少女は神樹のほうを指差した。 「神樹の中にいるのか?」 「もうすぐ出てくるから少し待て」 その直後神樹の中からゆっくりと黒髪の女性が出てきた。 「おい、姿が違うとは言ってたがちがいすぎねぇか?」 それは盃より少し大きな黒髪の女性で目は碧眼だった。 「目だけはお前と同じなんだな」 「まぁ、妾はあれの分身じゃからな」 「動かないけど生きてるのか?」 「今はほとんど死んどるのと変わらん、それに今は絶対に動かんよ」 「なんでだよ」 「先ほども言ったようにあの桜の樹が神の力の源じゃ、神樹があの状態なら動くのは無理じゃ」 「あの樹は神の命と連動してるってことか」 「まぁ、そのとおりじゃ」 そして盃はひとつの疑問を少女にきいた。 「で...なんで俺をここに連れてきたんだ?」 「そうじゃな...そろそろ話すとするかの...まぁ、簡単に言えば妾と共にあるゲームに参加してほしいのじゃよ」 「ゲーム?」 「ゲームの内容は簡単、神とその他の生物でチームを組んで様々な世界を巡りながら他のチームと戦うというものじゃ」
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