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この時期になると若い人を奴隷にするために[アルマン]からたくさんの兵士が来るんです」
「なるほどな、見知らぬ奴が来たら逃げるわけか。でも少しは抵抗とかしないのか?」
「最初は抵抗してたんですけど2年ほど前から変な力を使う人が出てきて...それでみんな...」
茜の声は少しずつ小さく細くなっていった。
「なぁ...もしかしてあれがそうか?」
盃の視線の先には100人程の兵士の塊があった。
「急いでここから逃げて下さい!狂騎さんも捕まってしまいます」
茜は手に持っていた袋を落としているのにもきずかずに精一杯の声で盃に言った。
「まぁ、少し落ち着けって」
「どうしてそんなに冷静にいれるんですか!早く逃げないと「捕まんねぇから少し落ち着け」
「なんで...そんなこと...」
「話し相手になってくれたお礼にこの村守ってやるから安心しろって。俺もお前も誰も連れてかれないから」
「守るって、どうやって...」
「まぁ、見てな」
話している間に大量の兵士が村の前まで来ていた。
「若い男と女を出せ!さもな「よっ!」
盃の蹴りが一番前で話していた兵士の体に当たり、そのまま鎧を砕き後ろの兵士を巻き込みながら10メートル程吹き飛んだ。
「悪いな、五月蝿いから眠ってもらった」
「貴様ーーーーー!」
他の兵士達は警戒しながらも盃に突っ込んできた。
「俺のいた世界に比べてここは元気がいいな」
盃は右足を軸にして回るとそのまま左足で、突っ込んできた兵士の一人に蹴りをいれた。
「がっ!」
「よく飛ぶな」
盃動きを止めずに足元にあった石を数個拾って他の兵士に投げたそれは兵士達の鎧を簡単に砕きどんどんと吹き飛ばしていった。
「あんまし歯ごたえねぇな」
不意に詠唱が聞こえてきた。
それと同時に箱のようなものが盃と兵士達を包んだ。
「なんだこれ」
「それは、簡単な結界のようなものですよ」
「結界?」
「あなたはそこから出られない。我が兵士達に殺されろ」
「お前は外にいるのかよ、フードやろう」
「兵士達を倒したところでその中からはでられませんよ」
結界の外で魔術師は笑っている。
「数はあと70ってところか」
そこで盃はふと落ちている鉄製の兜と袋を手に取った。
「雑魚の相手はめんどくせぇから一瞬で終わらせてやる。お前の結界の耐久力はどれくらいだろうな」
「なにを言っている」
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