夜叉の桜 ~ The lost petal~

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「神戦ってことか?」 「まぁ、そうなるかの」 「で...勝ったらどうなるんだ?」 「わからん」 「わからんってお前...」 「勝ったあとのことは勝った者にしか分からぬ」 「そうか...まぁ組むのはいいんだが勝ち目はあるのか?」 「正直言って無いの」 「...どうすんだよ」 「一人で他のチームに勝つのはほぼ無理じゃからの」 「なに言ってんだお前、二人だろ」 「あぁ、言うのを忘れておったが妾は戦わんぞ」 「は...?お前なに言ってんだよ。俺に一人で神とそれに組んでる人と戦えって言うのか?」 「まぁ、そうなるかの。妾には今ほとんど力が残っておらん。戦えんどころかこの世界からも出れんくなっとるわ」 「お前、俺の世界に来てただろうが」 「じゃからそれのせいで力がもう残ってないんじゃよ。あと言っておくが神と組んでるのが必ずしも人とは限らんぞ」 「じゃあ、あれか何かの化け物とかが組んでるかもしれないってことかよ」 「まぁそうじゃな。なかには神以上の力を持った者もおるかもしれんぞ」 「そのなかで一人で旅しろってことか」 「絶望的な状況じゃの」 「お前が言うな」 そこで盃は思い出したように言った。 「お前名前何て言うんだよ」 「そういえば言うのを忘れておったの妾の名は夜叉神じゃ、まぁ夜叉と呼んでもらってかまわん」 「そうか、俺は十六夜 盃だとりあえずよろしく」 「ちなみにあの神樹は夜叉の桜と呼ばれておる」 「夜叉に訊きたいことがもうひとつあるんだがいいか?」 「なんじゃ?」 「なんで夜叉は力が弱まってるんだ?」 「...いずれわかる。今はまだ知らなくてよい...」 「不利な状況になってる理由の説明は無しかよ。そんなんで協力出来るわけがない」 「ならばお主の力についても説明してもらおうかの」 夜叉は不意にそんな質問をしてきた。 「そんなもん聞いてどうする?」 「答えられんのか?」 盃は舌打ちをして言った。 「ただ体の力が強くなるだけだ。実際に見てんだからお前も知ってるだろ」 「...そうじゃな」 「説明はもういい。早く始めようぜ」 「そうじゃな、しかしその前に他の参加者に公開する名を決めねばならん」 「なんでだ?」 「その方がこれからの戦いで動きやすいからじゃよ。本名を知られれば不利になることもあるからの」 「そういえば、なんであの時追われてたんだ?」
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