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「…誓います」
『永遠』という響きに柔らかく微笑って、アガットは頷いた。
「汝レオン・バーティはアガット・ニールズを伴侶とし、病める時も健やかなる時も…永遠に愛する事を誓いますか?」
「誓います」
同じように問うたアガットに、レオンもまた微笑み答えた。
「次は指輪の交換だ」
そう言って、レオンはケースから指輪を取り出した。
まず、レオンがアガットの左手の薬指に、そして、アガットがレオンの左手の薬指に指輪をはめた。
「じゃぁ…誓いのキスを」
微笑んだまま言って、アガットはレオンの肩に両腕を絡めた。
「何度生まれ変わったとしても必ず…俺はお前に恋をする」
レオンはアガットの腰を抱き寄せて、そう告げるとその唇に口づけた。
「…ああ。何度生まれ変わっても、俺を見つけて。そして…離さないで」
唇を重ねたままで、アガットは甘い吐息と共に言った。
そう…果てしなく巡る運命の環の中で、幾度生まれ変わったとしても。
その魂すら熱く溶ける程に、深い愛を交わし合う人はただ一人…。
「ああ、何度でもお前に誓う。どれ程時が巡っても、アガットお前だけを愛してる。…永遠にお前を離さない」
レオンはアガットの頬に手を触れて、その翡翠の瞳を見つめて囁いた。
「俺も何度でも誓う。レオン…お前だけを永遠に愛してる。尽きる事のないお前の愛で俺を満たして…永遠に溺れさせていて」
アガットもまたレオンの琥珀の瞳を見つめて、そう囁き返した。
「愛してるアガット」
再び告げて微笑ったレオンは、アガットの顎を指で持ち上げた。
「俺も愛してる」
答えて目を閉じたアガットの唇に、レオンはその唇を重ねた。
虹色に輝く淡い月光が、永遠の愛を誓う二人を祝福するかのように降り注いでいた。
完
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