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女が指を指した方から無数の足音が徐々に近付いてくるのが聞こえてくる。 「・・・くそッ、一体何だってんだ。」 と愚痴を溢しながら青年は慌てて女が走り去った方へと走り出した。 「ふぅ、ここまで来ればひとまず大丈夫かしら。」 女が路地の壁にもたれながら、横でしゃがんでいる青年の方に顔を向ける。 「で、何で俺も逃げないといけないんだ?」 一呼吸してから青年が恨むような目で女に訴えるが、 「アナタが私の仲間だと思われてしまったからよ。」 そう言って女は青年の群青色の瞳をエメラルドグリーンの瞳で見つめ返す。 「こっちから質問。」 「ちょっと待て。」 青年が突っ込む。 「何でお前の仲間だと思われなきゃいけねぇんだよ?」 「私がアナタの仇って言うのはどういうことかしら?」 女が不思議そうに首を傾げる。 「私はアナタのことを知らない。」 「・・・お前は俺の家族を殺した。」 青年は俯きながら女の質問に素直に答えた。 「なるほどね。」 女は納得したかのように頷いた……のだが、 「ごめんなさい。私、あんまりにも人を殺しすぎていて、いつアナタの家族を殺したなのか分からないわ。」
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