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「もしそうだとしたら、この先どう生きようとも、エルシオンの影に怯えながら過ごして行くことになるわねぇ。」
「おいおい、マジかよ……。」
更に気を落とす青年。
「こうなったら、私と一緒に組織を潰すしか生きる道はないとわねぇ。」
「・・・・・。」
何となく填められている気がする青年。
「よし、それじゃエルシオンを潰したら私のことを殺すなり何なりと好きにしても良いっていうのはどう?」
女が名案でしょっ、とでも言うように青年の肩に手を置く。
「色々とサービスあるわよ?」
「クソッ、何でこんなことに……」
女を無視して壁に話しかける青年。
「聞いちゃいないし……」
女が苦笑する。
「私の名前はキャリーよ。アナタは?」
「・・・ラマレだ。」
青年、ラマレが壁から目を離しぶっきらぼうに答えた。
「そうそう、人間諦めが肝心よ。」
キャリーが頷く。
「よろしくね、ラマレ。」
「・・・組織が潰れるまでだ。」
ラマレが冷たく言い放つ。
「その後はお前を殺す。」
「それでいいわ。一人で逃げ回ったり破壊工作して回るのも、ちょっと寂しいなって思っていたところなのよね。」
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