あまりに無邪気だから

20/28
192人が本棚に入れています
本棚に追加
/113ページ
「それって、一回も試合負けてねぇんだろ!?」 「噂より、なんか見た目弱そうじゃね?」 「ついに青学に来たのかよ!」 「こんな奴なら、俺、勝てそうだわ!」 まぁ、言いたい放題? 竜「コレ!静かに…「負けないよ?」 気がつくと、自分の口が動いていて、周りはシン…とする。 「…今、"勝てそうだ"って言った人…、オレ負ける自信ないですよ…?」 「なっ…!!」 周りの怪しい空気に、数秒してから私はやっとハッとした。 ヤバい…。 なんてこと言っちゃったの…私! 今、相手校の気分を損ねたら、試合どこじゃなくなる!! 「な、なーんちゃって…! 道場破りとか、言い方カッコイイですけど、オレ、あっちこっちで負けまくってるほど実力ないんで…!」 慌てて自分でおかしなフォローをする。 手遅れか…と、思ったが… 「なんだよ、負けてんのか!」 「やっぱり噂だったのかよー」 「たしかに、1試合も負けないなんて嘘に決まってるわな」 テニス部に笑いが起こり、私はこっそり、ホッと息を吐いた。 その姿を、見ていた人がいたなんて。
/113ページ

最初のコメントを投稿しよう!