第2夕刻

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あれは、17歳の冬。 「お疲れ様でした。 お先に失礼します。」 夜居酒屋でアルバイトをしていた私は、その日も何時も通り22時過ぎにお店を出た。 駅前に停めてあった自転車を出し、何時ものようにペダルを漕ぎ出す。 呼吸する度に零れる息が白い。 家からの最寄り駅から更に1つ隣の駅。 田舎なので駅から駅の間も結構距離が有る。 2駅分の距離となると、自転車で片道40分近い時間を帰る事になる。 車通りの多い大通りを通り抜け、静かな川沿いの道をペダルを漕いで進んで行く。 あれ…? 途中から、前方に見える星に興味が向いた。 赤く……、キラキラと大きく光る星。 他の星と比べるとかなり大きい。 いや……。 ……近いのか? 冬の一等星であるシリウスは別の場所に有る。 シリウスよりも強い光。 「あんな一等星あったっけ?」 自転車のスピードを落とし、ゆっくり観察するように星を見詰めながら進んだ。 ……おかしい。 その星の異変に気付いたのは、川沿いの道を途中位まで来た辺りだった。
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