2173人が本棚に入れています
本棚に追加
他の星や建物と比べた時の違和感。
その光はゆっくり上下しながら、私の動きに付いて来ている。
キィ…ッ!
私は試しに自転車を停めてみた。
すると光も止まる。
だけど更なる違和感を覚えたのは、私が進むにつれ、その光が近付いて来ている事だ。
キィッ!!
「ハァ、ハァ、ハァ。」
息を切らせて自転車を停めた。
大きな綿菓子のような息が、何度も吐き出されては夜の暗さへと消えて行く。
そんな白い息の向こう…。
「何?あれ…。」
ブレーキを握る手に自然と力が入った。
目の前の上空に明らかに近付いて、その形がハッキリと見える赤い光が上下しながら浮かんでいる。
「…………妖精?…。」
第1印象は妖精その物、小さな人の形が赤く光りながら空中に漂っていた。
その背中には大きめの羽が2枚と、その下に小さめの羽が2枚。
クリオネを細くしたような形の物が、私を見下ろしている。
最初のコメントを投稿しよう!