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「……」
「架音だけでも逃がそうとしたけど、あの時俺にはそんな力も無く、手を伸ばす架音を見捨てて十字軍に取り入ったってね」
「いいや、君は見つかった当時死んでもおかしくない体だったじゃん。回収したのが僕だって忘れた?」
「妹を置き去りにして逃げる兄がいるかよ。弁明なんて出来はしねえ……せめて生きてさえ要れば、奴らのノウハウが頭に入っていても、何とかなるって証明してやるよ」
「……もうすぐA2地点だよ」
開けた場所だった。
草原が茶色く生い茂る、元々さっきまで樹海だらけだった空間に存在する木の無い位置。
その満月の元に。
「あれがかぐや姫……」
大介の凍った表情が映し出されていた。
「……架音」
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