光陰

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どこを走って行ったのか解らない様に 標識を無視して走り続けた 戻らない様に… どこの誰か解らない様に 車を捨て、ひた歩いた ただひたすらに 思い出も何もかも捨てる様に携帯を壊した メモリー全てを消去して やがて日がくれて使用感のない倉庫で夜を明かす フと目に飛び込む神社で参拝をした 全ての過去を切り捨て、全ての思いを切り捨てた 心に決意をかためて、ネクタイで首を絞める 血液が止まり血管が浮き出る様だ 息が出来ずに薄れ行く意識の中で 捨てたはずの顔が浮かぶ 母の涙で顔を濡らし、泣き崩れる姿… 家へ帰った時の我が子が笑顔で駆け寄る姿… 最後の最後に俺は救われたのか… ロープではなくネクタイだったからか… 固く絞めたネクタイを解き溢れ出る涙を拭った 全ての苦しみから、ただ逃れたかっただけなのに… 思い残すものは何も無かったはずなのに… 親にうけた愛情が心に沁みる 我が子の面影が思い止まらせる それでも俺はさ迷い歩いた… やがて警察に保護され、夜明けと共に家族が迎えた… その足でそのまま精神病院へ入院した…二度目… その時の俺は自分のことしかみていなかった… ウツと対人恐怖症でまともにいれなかったから… 周りがどれだけ暖かい温もりをくれてたか…気付けなかった せめて、親より先に行くまいと思った その後は、出来るだけ綺麗な姿で行こうと思った それか見つかることのない所で、行方不明として行こうかと思った だから、樹海に行くのだろうか… 少しだけ分かった気がした 広く暗い闇の中…どこへ歩けば、光が見えるのか、探 し続けた 足枷が邪魔をする 強力なゴムが腰に巻かれてる様に、スタートラインへ 戻される 挫折と失望と絶望の中で、光があるであろう方向を目 指した 必ずみつかると…確証のない思いを信じた 俺には出来る 俺なら出来る やがてトンネルの中の様に光が見えた そこからは、スムーズだった 光が射す方向が見えるのだから… トンネルを抜けて光を浴びた 少しずつ、正常な心の動きを取り戻した 喜怒哀楽… 長い闇は7、8年の月日を流してた… (2011年から振り替えって7、8年)
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