悪魔の棲む校舎

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ここは昔とても人数が多く、 一時期は日本一多いとか言われたりもした。 それも昔の話。 今は人数も減って、 そのときに作られた古い校舎が立ち並ぶ古い中学校。 中には木造の本当に古い校舎もあった。 そして、彼女はこの学校の1年生。 名前は・・・確か花梨と言った。 彼女は可愛い容姿をしており、 人当たりもよく、 しかし少し気の強すぎる面もあった。 それが故に教師からはよく贔屓されがちだった。 そんな彼女はある日、教師に頼まれ 古い木造校舎の1つにある教材質に向かっていた。 そこは滅多に使われない校舎で、 普段は鍵が掛けられていて入れない。 彼女は教師から借りた鍵で扉を開け中に入っていった。 教材室はその校舎の最上階、4階にある。 そこまでは、それまた古びた木造の階段を上っていかなければならない。 ギシッギシッと軋む音を聞きながら上っていたときだった 2階から3階への階段を上っていると声が聞こえた 「いらっしゃい。私と遊んでくれない?」 突然のことに脚が止まる 恐る恐る声のした方を見れば そこには何もなく、 空耳だと自分に言い聞かせて階段を上っていた。 教師に言われたものを見つけると 早く戻ろうと足早に階段を下りて行った そして、また2階から3階に繋がるところで声がした 「もう行っちゃうの?また遊びに来てね」 彼女は再び声のした方を振り返るも やはりそこには何もなく、木造の廊下だけがあった。 さすがに怖くなり、階段を駆け下り校舎を出て行った 息を切らし、出て行ったあと 背中に刺さるような視線を感じたが 何もないと振り返らないと自分に言い聞かせて教室へと向かった。
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