1人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
私はその質問に頷くと
心から喜ぶかのように顔いっぱいに笑顔を滲ませ喜んだ
それから何かを思い出したかのように
私の手をとり、最上階まで連れて行った
そして窓の外を指差し言った
「ココからの景色綺麗でしょ?
私のお気に入りの場所なんだ。
貴方にだけ教えちゃう♪」
そこからの景色はコレといって他の校舎から見る景色とは変わりないが
ただ、少し他のところよりも高くなっていて
大体の学校の全体を見ることができそうだ
そして、みんなが授業をやっている光景も見れる
目の前は少し開け、夕方になれば見事な夕陽を見れるに違いない
そんなことを考えながら私はぼーっと眺めていた
すると、隣で彼女の鈴のような声が木魂する
「ね、いいでしょ?
あ、名前教えてなかったね。
私は由香よろしくね。花梨」
「うん、よろしくね」
何故あの時彼女が私の名前を知っていたのかを疑問に思わなかったのだろう
そんなことよりも私はどうやってここに入ったのか気になっていた
「そういやさ、由香はどうやって校舎(ここ)に入ったの?」
「ここね、実は非常階段があってさ
そこには鍵がないの。
この前見つけたんだ。
だから、花梨もそこから入ればいいよ」
「そうだったんだ。全然知らなかった・・・
それだったら、これから毎日来れるね。
私これから毎日由香に会いに来るよ」
そう言うと本当に嬉しそうに眼を輝かせて笑った
「ホント!!嬉しい!!」
それから私は毎日校舎に足を運び、由香と一緒に居た。
いつの間にか私たちは親友となり
私は教室から脚が遠のき始めていた。
最初のコメントを投稿しよう!