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階段を全速力で駆け上がり、
由香の元へ走った
「由香ぁぁ!!!」
私の声と様子を見て驚きを隠せない顔をしていた
「どうしたの?」
私はそのまま由香にすがりつくように
由香の胸の中へ飛び込みすべてを吐き出した
「もう、教室行きたくない・・・
なんでこんな目にあわなきゃなんないの・・・・?
もう死にたい」
これを言ってしまったのがすべての間違いだった
そのときの彼女の表情は見えなかったが
きっと心底嬉しそうな顔をしていたに違いない
「そうなんだ。じゃあ、死ぬ?」
そう言った声が笑っていたから
どういうことだと顔を上げると
そこには「私の知っている」由香はいなかった
ニタニタと笑い、私のことを見て楽しんでいるかのように
私を支えていた腕は解かれ
向かった先は私の喉。
女の子の力とは思えないほどの握力で喉を絞めた
「・・・ッ・・・あ゛・・・・ッ」
息ができなくて、ただ苦しくて
でも、怖いという感情はあまりなかった
そもそも、彼女と出会ったときから
彼女はただの人ではないと何となくだが思っていた
「もう終わりにしよう、ね?」
可愛い声でそう言うと
ゴキッと一息に私の首を圧し折った。
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