Do you love me?

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そして、頭一つ分違う顔を見上げる そこで、気づいた。 朝から何となく雰囲気が違うような気がしていた その要因がわかった 「眼鏡・・・かけてたっけ?」 「え?あ、いや・・・今日は何となく眼鏡にしたんだ」 突然のことに動揺しながらも ちゃんと返してくれる。 笑みが零れた。 「いいね、眼鏡。似合ってるじゃん。 私的には眼鏡のほうが好きだな・・・」 「え・・・・」 「ねぇ、返事聞きたい?」 さらに距離を詰めて見上げてみる 私が詰めると彼は後退り、それを繰り返していると 彼の後ろには机があってこれ以上退ることはできない 朱い顔と潤んだ熱っぽい瞳が眼鏡の奥で揺らいでいる 「ね、どうする?」 「・・・い、今お願いしますっ」 緊張しているのか少し声が上擦っているように聞こえた。 私にとって彼は好きでもなければ嫌いでもない。 いい人。その程度 だけど、絶対嫌いじゃない。 どちらかと言えば好きだ。 そんな彼に突然告白なんかされてしまえば その針は一気に指す方向を露にする。 針は振り切りメーターを越えてしまったようだ。 さらに身を寄せ、彼は机に腰掛けるようになる 私は手を伸ばし、 彼の素顔を隠すそれを奪い取る。 近視な彼のために、 互いの少し浅い呼吸が混ざるほどにまで顔を近づけ呟いた。 「ありがとう。好きだよ、翔太くん」 返事の代わりに小さく唇を触れさせる 緊張しすぎて彼にこの五月蝿い鼓動が聞こえたのではないかと 身を離し飛び退こうとしたのを捕らえられた 鼻腔に彼の匂いを翳む 「本当に!?ありがとうっ!!」 さっきまでのヘタレはどこに行ったのやら 私をきつくその胸に抱きしめた。 耳を当てるその胸からは どうしようもないくらい大きな鼓動が聞こえる。 ここから新しい物語が始まった。 ―――END―――
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