吐息に乗せた想い

8/9
前へ
/9ページ
次へ
「・・・何を?」 不安そうに俺を見上げる峰倉。 「倉田が言っていたことが本当なのか嘘なのか 俺にはわからないけど、 俺にも1つだけわかっていることがあるんだ」 一旦言葉を切る。 ちゃんと彼女と向き合い、 爆発しそうな心臓を押さえて、息を吸った 「俺も・・・いや、俺は峰倉が好きだ。 これだけは何も変わらない。俺の気持ちだ」 今、自分がどんな顔をしているのだろう 滑稽な顔をしているのだろうか それとも無表情なのだろうか だけど、この寒いはずの屋上にいるのに 寒いと思うどころか、熱いと感じてしまう それくらい今身体に熱が纏わりついている 一息で言ってから彼女の顔を見れなくなってしまっていて チラリと顔を覗いてみた。 そこには呆然と立ち尽くし、 赤い瞳からは大粒の雫が零れ落ちていた それを見るや否や勝手に身体が動き 両の腕で彼女を抱きしめていた
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加