お預けなんて言葉は知らない

3/13
3406人が本棚に入れています
本棚に追加
/159ページ
そしたらあたしより二十センチも背丈が大きい蓮には容易いことで。 簡単に二つの鍋を取ってくれた。 「あ、ありがとう」 ふぅーっと息を吐くと、一気に気が抜ける。 「腕が、だるい」 そして必要な方の鍋を受け取ったはいいけれど、二の腕辺りに負担がかかっていたのか、物凄くだるくなっていた。 「こういうときは呼べっていつも言ってんのに」 「呼んだもん」 「いや、遅いだろ。先に呼べって」 「とれると思ったんだもん」 「まあ、わからないでもないけど」 そう言った蓮はちょっぴり眉を下げていて。
/159ページ

最初のコメントを投稿しよう!