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「おはよう、紗羽」
今日も蓮の逞しい腕の中で目が覚めた。
「おはよう」
そう言って蓮を見上げると、
「んっ」
“おはよう”のキス。
蓮が大学二年に進級し、あたしが働き始めて約三ヶ月が経った。
平日は、夕方まで仕事のあたしと、夕方からバイトの蓮はいつもすれ違い。
だから週末はいつもこうやってどちらかの部屋に泊まって一緒に朝を迎える。
「蓮、もう一回言ってもいい?」
「もう一回? 何を?」
少し身体を起こして、
「20才のお誕生日おめでとう」
そう言って、今度はあたしから“おめでとう”のキスをした。
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