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ボクは、ひとり。
真っ暗な闇の中で、ボクは涙を流し続ける。
ひとりは怖くて。ひとりは寂しくて。ひとりは悲しい。
だれか、だれか、
ボクの名前を呼んで。
ボクを必要として。
ひとりにしないで。ひとりは嫌だ。ひとりは辛い。
小さな痛みが熱を持ちはじめる。
あつい、あつい、あつい、あつい、あつい、あつい、あつい、
はくはく、と。
誰かの名前を呼ぼうとしたのに、それは叶わなくて。
声の代わりに、音のない息が闇の中に響く。
ボクはどうにかする術を持ってない。そもそも、知らない。
何も出来ないボクは、縮こまって泣くだけ。
たくさん、たくさん、涙があふれてくる。涙を止める術さえ、ボクは持たない。
泣くことは許されていない。
頭の隅で、ボクの声が弾けた。
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