ぎゅうって抱きしめて

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ふっ、と。 一瞬の浮遊感の後、目が覚めた。 ………何、してたんだっけ 俺は何も覚えてなくて、ただ、傷が痛む。 それが腹立たしくて、痛みを堪えようとしてみる。……出来るわけが、ないのだが。 「何、してんのさ」 涼やかな声に振り返れば、白衣を纏った従兄弟がいた。 「……別に」 「うん、嘘はどーでもいんだよ」 ソイツは小さい体のくせに、やたら力が強い。 抵抗してみるものの、やはり敵わなかった。…俺は一応総長なんかしてんだが。 族の総長なんざしてる俺は、この小さい従兄弟に勝てたことがない。一度足りとも、ない。 小さいと言っても、俺よりは年上だ。身長は俺のが勝ってるけど。
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