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「??」
「難しすぎたか…。」
まだ目をうるうるさせてるわたるから体を離して乱暴に頭を撫でた。
「いつか、分かる時が来るさ。
本当は母さんも父さんも…家族が大好きなんだろ?
人間、自分が悪いと思ったら素直に頭下げて謝るんだ。」
「……うん…。」
「大嫌いなんて、嘘なんだろ?」
「…うん。」
「素直に、だぞ。」
一瞬、わたるとあの自己中我が儘不器用素直じゃない男が被った。
目がおかしくなったのかと思いこすってみてみれば…。
「お姉ちゃん?」
「いや…なんでもねぇや…。」
気のせいだってことにしとこう。
だってあの男とは似ても似つかないほどくっりくりで可愛らしい目つきをしてるんだから。
「…もう暗い、家まで送っててやるから。」
「……姉ちゃんありがとう!!」
涙は止まったようで、太陽のような笑顔を向けるわたる。
これで、安心だな。
あたしは一瞬荷物をどうするか迷ったがここはあたし、根性でいきます!!
片手に二つのビニール袋を持ち、もうかたっぽはわたると手を繋ぐ。
「家までの道、分かるか?」
「うん。ここいつも遊びに来てるから。」
「そうか。」
手から伝わってくる体温があったかい。
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