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「はは…それはすごいや…。」
パッと見、大きな怪我はない。
小さいかすり傷はあるものの目立つ外傷は無い。
そのことに少しだけ安心するが病院には一応連れて行かないとな、内臓破裂とかしてたら厄介だし。
「立てるか?」
「よゆ…。」
「お…女がナマ言ってんじゃねぇよ!!
こっちが下手に出ればいきがりやがって!!!」
「…まだいたのか、テメェ等…。」
「…!!」
「ここは龍炎華のシマだと言ったはずだ。
痛い目見ねぇとわかんねぇのか…?」
あたしはしゃがんでいた体勢から立ち上がるとボキボキと手の関節を鳴らした。
「……今からここにいる奴全員…地獄に送ってやったって…良いんだぜ?」
「テ…テメェ…覚えてやがれ!!!」
男共はあたしの殺気に怯えたのか尻尾を巻いて逃げていった。
「……姉ちゃん…ほんとに強いんだね…。」
「だろ?」
あたしはまたポケットからハンカチを出すと口元に滲んでいた
血を拭った。
「い…!!」
「ありがとな、スッゲーかっこよかったぜ?」
「でも…やられて…姉ちゃんに助けてもらった…。」
「助けられる事がカッコ悪ぃわけじゃねぇんだ。
頼られて嬉しい奴もいるし、一生懸命な事は悪い事じゃねぇんだよ。」
「……うん…。」
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