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「でもおれ…強くなりたいんだ…。」
「強く…?」
「お母さんよりもお父さんよりも強くなって家族を守るんだ…。」
「……。」
「その目…。」
「え?」
「……やっぱり、似てるな…。」
「???」
誰よりも強くなりたいと思うその目は小さい頃のあたしと、あの自己中馬鹿と、重なった。
大きなその目にどこまでも真っすぐで屈しない光が宿っていて…。
あたしの好きな目だ。
これは…かなりの大物になりそうだ…将来だ楽しみだな。
「強く、なれ。」
「え…。」
「なにか、守りたいモノを、大切なモノを見つけて強くなれ。」
「…?」
「まだ、早かったか…?」
「ううん!!おれは家族の為に強くなる!!」
「そうか…、ま…頑張れ。」
あたしはガシガシとわたるの頭を撫でた。
「へへーおねぇちゃんお母さんにそっくりだからお母さんに撫でられてるみたい!!」
「そーか?あたしにはまだ餓鬼なんていねぇぞ?」
「たとえ話だってば。」
嬉しそうに笑うわたるの顔を見てこっちまで嬉しくなってしまう。
…てか、蹴られたのに何でこいつこんなピンピンしてんだよ。
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