10年

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――― 「そうだ!!お母さんに紹介したい人がいるんだ!!」 「紹介したい人?」 「うん!!世界一強くてお母さんみたいに可愛くて綺麗で…とにかくお母さんにそっくりなんだ!!」 「あたしに…?」 「おれを助けてくれたんだ!!」 「その人、どこにいるの?」 「え?あそこに…。」 渉が後ろを、ブランコの方を見たが誰一人いなかった。 持っていた荷物さえも消えている。 「―――その人…どんな格好してた?」 「え?えーと…。 黒くて髪が長くて綺麗で…。」 お母さんは、少し考え込んだようなそぶりを見せる。 「お母さんとそっくりな顔だった!!」 「…そう…。」 少し嬉しいような、今まで見たようなことがない顔を見せた。 「…渉…仲直りの印に、渉の大好きなハンバーグにしようか!」 「ホント!?」 「よし!!買い物行こう?」 「うん!!お母さん大好き!!」 「あたしも渉が大好きだ。」 ―――――― ――― 「ん…?」 ここ…。 「あたし…今まで何やってたんだっけ…?」 .
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