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「く…来るな!!」
「横入りして今度は下がる…んな都合がいい話…どこにもあるわけねぇだろ…?」
「ぎゃ―――!!」
犯人は混乱したのか一発あたしに向かって銃を撃った。
あたしはそれを慌てもせずしゃがんで避ける。
「な…!!?」
「大人しく…ブタ箱ぶち込まれやがれ―――!!」
あたしは苛々しているせいか頭の中から手加減という言葉は消え去り…。
思いっきり犯人の脇腹に膝を捩じり込ませた。
そして止めに…。
「せいや!!」
全ての苛々をぶつけて発散させるように…。
豪快な踵落としを決める。
元々犯人はあたしの蹴りで意識を失くしていた…らしいが。
「はっこのあたしの前に横入りすっからそうなんだよ。
…つか、トロい!!早く会計しやがれ!!」
店員は慌ててあたしが籠に入れた中身に会計を計算していく。
「ごっごご合計でで五百八十円にななります!!」
「…お、ぴったあった。」
財布の中には五百円玉、五十円玉一枚ずつと、十円玉三枚出す。
「丁度お預かりいたします!!レシートです!!」
「おう。」
あたしはレシートを受け取ると財布の中に捩じり込み商品が入ったレジ袋を持って店を出た。
「あー苛々する…。
いや、それよりも早く家戻んねぇとな…。」
あたしは腸が煮え返るように苛立っていたが愛華の苦しそうな表情を思い出し家へ向かってダッシュした。
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