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今から二十分前に受信されていたメール。
あたしは慌てて制服から適当な私服に着替え荷物を持って外に出る。
案の定車は止まっていて窓から涼が手招きしているのが見えた。
あたしは崩れないように車に乗り込み、発信する。
「それ全部作ったのか?」
「間に合ってよかったよ。」
あたしの荷物は、大きい箱二つに大きな肩掛け鞄だ。
「それ全部一人で?」
「当たり前じゃん、じゃなきゃ意味ないし。」
そんな話をしている間にあっという間に倉庫に着いて、車から降りる。
「あ、そうだ俊さん。」
「はい?」
あたしは肩掛け鞄の中をあさりラッピングされた小さな袋を出す。
「好きな物が分からなかったので普通のクッキーですけど…。
いつもありがとうございます!!」
俊さんは一瞬驚いたような顔を見せたがニッコリ笑いながら受け取ってくれた。
あたしも車から降りて先に箱を持って降りた涼の後を追う。
「お疲れ様です!!」
「愛さん凄い荷物っすね!!」
「あはは、まぁね。」
一応準幹部の涼は挨拶され、それに返事しながらもどんどん歩いていく。
「ちょ、涼ストップ。」
「うぐ!!?」
あたしが涼の襟首を掴んで、苦しかったらしい、妙な声を出して止まった。
涼から箱を奪い取り出ていた机の上に置く。
「つかその中身まさか…。」
「ケーキ、こんだけの量作りきれないし、みんなでつつけるケーキにしたんだ。」
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