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「だからー、何でわかんないかなぁー」
さっきから美音は、イライラしながら文句ばっかりをぶつけてくる。
「そんなに難かしくないでしょ?」
って美音が、俺の顔を覗き込んだ。
(ほら、またその上目遣い…)
時は夕刻。
場所は、俺の部屋。
家庭教師である美音がおしえてくれる数学は、実際そんなに難しくはない。
別に俺も頭が悪いわけじゃないし
本当は既に解けてたりもする。
でも、いつも。
解けない振りをして答えるのを焦らす。
そうやって焦らすと、イライラしてくる美音が可愛くて仕方ないからだ。
つまりは、この場合。
問題なのは数式ではなく、無意識にすぐ上目遣いとかしちゃって俺をドキドキさせまくる、美音の方だ。
。
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