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「直接、話したいことがあって…」 「電話じゃ言えない事なのか?」 「うーん…、そうゆうわけじゃないうんだけどね、何ていうか…」 しかも、まさかのまさか。 今度は美音の方から焦らしk返し…。 何でかそれに、あるわけのない答えを無駄に期待してしまう…俺。 ってんだから、恋は恐ろしい。 「じゃあ何だよ、気になるから今言えよ」 そんな美音の焦らしに、簡単に煽られる俺も俺だけど… 「えー?何で怒るのー?…あ、もしかして今日は用事あって会えない…とか?」 はぁ? 何でそーなっちゃうかな…。 「…そんなわけ、あるかよ…」 例え命に関わるような大事な用事があったって、俺は絶対に美音を優先しちゃうってくらい 好きだと言えるのに…。 何でこんなに俺の想いは、上手く伝わってないんだろうな。 なんか、嬉しいはずなのに虚しくなってきた…てんだから やっぱり恋は恐ろしい。 「なんだよもう!!びびっちゃったじゃん…。ってか、もう来ちゃってるんだけどね?」 そんな俺の気持ちなんて露知らず、続けられる会話の先 「は?何だそれ」 急にトンチンカンなことを言い出しながら、美音は電話の向こうで「ふふふ」と笑ってた。 …来ちゃった? 美音の言葉を半信半疑になりながらも、教室の窓から外を覗いてみると 校門の前に小さく、私服の女の子が立っているのが見える。 (美音だ…) すぐに分かった。 別に視力がずば抜けていいってわけじゃない。 でも分かる。 見間違えるなんて、あるはずがない。 「ちょ…、おまっ…」 びっくりし過ぎて、言葉にならない声が出る。 それに満足そうに、美音はまた「ふふふ」と笑った。 。
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