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お昼過ぎて西日が膝を暖める。
ふっと、思い出した。
ジリジリと突き刺すような日差しの下で
泥だらけになりながらも必死の姿。
バッターボックスに立ち構える姿を
私は一秒足りとも見逃したくなくて。
ーーハルカ!見た?今のホームランっ!
屈託のない笑顔。
くしゃっと目を潰して、にーっと八重歯を出して
真っ黒に焼けた頬を汗が落ちる。
「こんにちは。」
はっと、顔を上げて笑顔を作る。
だめだ。忘れられない。
もう5年も経つのに。
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