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夜空に浮かぶ月皓々
白い面を照らし出す
薄桃色の花弁ハラリ
冷たい頬に舞い落ちる
聞こえぬ程の小さき声に
耳を寄せれば別れの言葉
嗚呼 その時がやって来た
君よ どうか逝かないで
この世界で唯一人
私を理解する者よ
動かぬ君の手握り締め
消え逝く灯火縋りつく
私の掌すり抜けて
力なく落ちたその手から
温もり去っても尚動けず
闇に浮きたつ桜を背に
君を抱いて見上げれば
夜空に浮かぶ月皓々
私の涙を照らし出す
薄桃色の花弁ハラリ
弔うように舞い落ちる
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